確かに寝るまでには、着々とウニ頭が形成されてきていたはずだ。
そして目の前の瑠衣斗は、ウニ頭ではなくサラサラヘアーだ。
「ん?あぁ、すっげえ大変な事になってた。髪切るかな〜」
のんびりとそう言う瑠衣斗は、少し鬱陶しそうに髪をかきあげた。
羨ましい程サラサラで、コシのある瑠衣斗の髪は本当に綺麗だ。
私より先に起きたって事かな?
それにしても、早起きだなあ。
関心していると、そこで瑠衣斗は思ってもみなかった事を口にする。
「龍雅に起こされて寝不足だ」
「……え」
のんびりと欠伸をして、目に涙を溜めている瑠衣斗の姿に、隠していた口元を布団から出し、目を見開く。
いや、口も開いて。
「起こされた…って?」
まさか…まさか……。
「ん?部屋まで叩き起こしに来て、送ってけと」
「え…部屋まで来たの?」
「来たよ」
見られた!!って、別に見られたらヤバい状態ではないけど!!
…ってヤバい状態ってなに!!
「朝からまじテンションたけーんだよ。疲れねえのか?」
何か…何だろう…。
本気で恥ずかしいっ。
「もも…何で顔赤いんだ?」