ぽかぽかして、ふわ〜っとして、本当に幸せな夢の中に居るみたい。


私の子供のような手よりも、倍以上大きな瑠衣斗の手を、ギュッと握り締めた。


「そーゆうのは、俺の顔を見て言え」



えっと思った時には、いとも簡単に体を瑠衣斗の方へ、ぐるんと向かせ直されていた。


「や…えっ」


「もー1回」


「いや…いやだ」



改めてそう言われると、恥ずかしいし、顔を見てと言う事に抵抗がある。


顔は絶対真っ赤だろうし、きっと許してくれなさそうだし。


「そうか。分かった」


「…む…えっ?」



無理と言いかけた所で、あっさりと諦めた?瑠衣斗に、驚いて目を見開く。


その瞬間、ぐるんと視界が回り、瑠衣斗に上から押さえつけられているのが分かる。


「え!?」


「言わねーなら、俺のモンって印付けてやる」


「なにをう!?」


「キスマーク。慶兄は首に1つだったから、俺は…」



ちょっとー!!誰かこの人を止めてー!!

この際龍雅でもいい!!


無視した事謝るから!!



ぶつぶつと独り言のように唱えた瑠衣斗が、チラリと私を見下ろし、妖しく口元だけで笑う。


両手をガッチリと押さえつけられているものだから、もちろん抵抗なんてできない。


それどころか、私の上に乗ってしまっているせいで、身動きなんて全くできない。



「その顔。俺には逆効果だ」