ざわつく歓声に弾かれるように、周りの視線を辿りながら光の先を見つめた。


「……いつの間に…」



映写機によって映し出された物に、思わずポカーンと口をあけた。


「ももはドレス作ってたからなあ」


「作ってたけど…いつの間に!?」



慶兄の言葉に、思わず勢い良く振り返る。


「いつの間にか」


「だって慶兄そんな時間……いつの間に!?」


「だからいつの間にだっつってんだろぉ〜?」



クスクス笑う二人に対して、驚くしかない。


こんな事してたなんて全然知らなかったよー!!!!



驚くしかない私は、聞き覚えのある曲と共に映し出された画面に視線を向けた。


「えぇ〜っ…てゆーか写真!?ちょっとぉー!!何でぇ!?」



BGMで流されてきた曲は、美春と私の大好きな女性シンガーの洋楽だ。


和訳すると、友達に対する日頃の感謝や気持ちを述べた歌詞だ。

高校に入学したての頃から、私と美春の携帯の着信は、お互い指定で使っていた。



その音楽に合わせて、何故か幼い私と美春がスクリーンに映し出されていた。



「えーっ!?聞いてないよー!!」

「言ってねえもん」



驚愕して見つめる私に、もう瑠衣斗の声は入ってこなかった。