「えぇっ!?嘘!?」


「俺は好きでもねー奴とキスして、それからもずっと傍に居たりしねえよ」


「え?だって…あれは」



それっきり、何も言えなくなってしまう。


こうして聞くと、話が繋がっていくようにも思える。


「あれは、あの時は……我慢できなかったんだよ」



吐き捨てるように言った瑠衣斗は、何だか居心地悪そうに視線を外した。



そうなの…?そうだったの……?

何故かはちょっと聞かないでおこう。


何だか後が怖い気がするからね。



でも待って?じゃあ……。


「告白…って?」



そんな事、いつ言われた?

全く身に覚えなんてないもんだから、私の中で疑問でしかない。


睨むようにして細められた瞳からは、それも答えなきゃいけないのか。とでも言いたげな感じを見受けられる。



「守ってやりてえって言った。ま、そんなんじゃ俺の気持ち伝わる訳ねえよな」


「…あれ…そうだったの……」



驚愕の事実を知り、愕然とする。


うん、ちょっと伝わり辛いと思う。私は悪くないと思うんだけど。


とは言わない方がいいに決まっているので、ここでも黙っておいた。



「それに…自分から気持ち伝えてえみたいな事言ってたから…」


これは自分でも覚えがある。

確か、慶兄に告白された日で……そして、るぅの事が好きって自覚した時でもあった。



「それからずっと、好きな奴が居るもんだと思ってた」