「ズルい…」


「知ってる」



優しく笑いかける瑠衣斗が、躊躇する事もなく唇を重ねてくる。


固く力を入れていた体から、力が抜けていく。


グッと抱き寄せて離してくれそうにもない瑠衣斗に、力で適うはずなんてない。


抵抗していた唇も、瑠衣斗によって簡単に侵入を許してしまう。


段々と深くなる口付けに、頭の芯から麻痺してしまいそうだ。


「もも…好きだ」



唇を離さないままそう言うと、再び何度も唇を重ねられる。



好きと言う言葉に、胸が一杯になる。


思いもしなかった言葉に、胸が喜びに震える。



「好きだ…」



何度もそう繰り返され、完全に力の抜けてしまった私は、されるがままに身を委ねた。


頭の先から足の爪先まで、瑠衣斗で一杯になる。


「もも…好きって言って」



何だか切羽詰まったような言葉に、胸がキュンと鳴く。


「…き…すき…」


頭がボーッとしたまま、譫言のように瑠衣斗にしがみついたまま口にする。


改めて言葉にする事で、こんなにも瑠衣斗が好きな事に、目眩がしそうな程酔いしれた。



熱くて甘い瑠衣斗の舌が、逃げようとする私の舌を絡み取る。


激しいのに、優しく口の中をなぞられ、もう何も考えれなくなってしまう。



「もも…好きだよ」