るぅ………?
慶兄が隣に居て、そのまま当たり前のように写真を撮ると思っていた私は、思わずじっと瑠衣斗を見上げた。
「――…何だよ」
「…でかいなぁ…って」
そんな私の背後では、龍雅と慶兄の声が聞こえてくる。
龍雅に…連れてかれたのかな。
ちょうど、龍雅が慶兄の肩に腕を絡めている所で、そんなことを思った。
俊ちゃんの隣には、宗太が苦笑いしながらそんな様子を見ていた。
美春側には、龍雅が居て、俊ちゃん側に慶兄が居る。
簡単に、ただ単に目立ちたいがためにそんな配置になったのだろうと予想はついたが、何だか微妙な感じがしない事もない。
「なぁ…もも」
「え?」
そんな様子を見ていた私に瑠衣斗が声を掛け、再び顔を上げた。
「はーい。撮るぞ〜!!」
そんな会話には気付いていないであろう、カメラマンが声を掛け、慌てて前に向き直った。
「もも笑ってね!!」
「はいはい」
そう答えると、美春はニッコリ笑ってカメラに向かって笑いかけた。
美春からカメラに顔を向けた時、もう片方の手を握られ、思わず顔を跳ね上げた。
「え?」
「笑えよ」
ギュッと握られた手が、熱い。
優しく微笑む瑠衣斗に、胸が締め付けられるようにギュッと縮むようだ。
「笑えって」
八重歯を覗かせて笑って見せる瑠衣斗に、思わずつられるように笑みが零れてしまう。