「最後にいつ会ったかも覚えてねえ」


「…う〜ん。俺も」


2人の会話に耳を傾けながら、大きな窓に目をやる。


窓から覗く景色は、本当に壮大で、まるで絵画のように見入ってしまう。


青々とした牧草に、その先の境目のようにある木々の濃い緑。

その先には、日本の山とは思えないような雪山がそびえ立つ。


雲一つない空には、鳥達がじゃれ合うように飛び回っている。


「でも、あの瑠衣がなぁ〜」


「どの俺が何なんだよ」


視線を戻すと、怪訝そうな瑠衣斗とは対照的に、にこやかに笑うヨネさんは何だか楽しそうだ。


「無愛想で女なんて興味なさそうで。いつでもどこでも寝てる奴」


「間違いない」


「高校でもそうだったのか?」


「ヨネさん。こいつ口下手にも程がありますよ」


ヨネさんの言葉に、宗太は何だか楽しそうに答える。


確かに無愛想かもしれないけれど、私達と居るときは楽しそうにしているし、どこでも寝れちゃうのはある意味特技のような。


そして、やっぱり気になってしまう部分が、私の中で段々と膨らみ、言葉で溢れ出てきてしまいそうになる。


「無愛想かは知らねえ。けど、興味ある奴にしか興味はねえ。眠いのは我慢してるつもりだし、俺ってそんなに口下手なのか?」


そんな瑠衣斗の言葉に、龍雅は吹き出すように笑い出してしまった。



我慢…してたんだ。


驚愕の真実に驚いて、私はそのまま顔を見上げる。


そんな私の視線に気付いたのか、隣に座る瑠衣斗が私に目を向けた。



「…何驚いてんだよ」