一見すると、強面そうなヨネさんだったけど、こうして見るととても親しみやすい。
笑顔もやけに爽やかで、こうして龍雅のペースにまで乗れちゃう所が、そう思わせるのかもしれない。
いや、違う。乗れてしまうのではなくて、乗せられているのかもしれない。
「明日になったら、ももちゃん瑠衣よりでかくなってるよ」
「えっ、横に!?」
「…むっ……」
「どうぞ。声出して笑って下さい」
「…彼氏は?ダーリン居そうなのになあ」
「居ません。てゆーか答える前に勝手に完結しないで下さい」
「ふふっ」
何だか余裕な態度も、嫌みを感じさせない。
そんな事もきっと、ヨネさんの人柄なのだろう。
「ヨネさんは彼女居ないんですか?」
「宗太君、それ聞いちゃう?聞いちゃうのかい?」
「…牛が恋人なんですよね。すみません」
「毎日ハーレムだぜ!!」
力強く言うヨネさんは、まんまと宗太の小悪魔ぶりにも乗っかってしまうあたり、龍雅と良い勝負かもしれない。
「ヨネさん!!俺フリー!!仲間っすよ〜!!」
「いや、俺変態じゃねえもん」
「…後で僕語り合ってきます…彼女達と…」
ドンマイ龍雅に苦笑いが漏れる。
隣の瑠衣斗なんかは、もう既に呆れているようだ。
出された牛乳は、今まで飲んできた物の中で一番濃厚で美味しい。
密かに感動している中で、漫才トリオを結成したヨネさんと龍雅と宗太は、盛大に盛り上がりながらもネタ合わせをしている。
……ように見える。
「にしても、何年振りだ〜?こうして会うの」
「………」
「シカトしてんじゃねえよ」
うん、きっとヨネさんは、ボケも突っ込みも担当できるに違いない。
「………」
「寂しいじゃねえかよ!!」