催されるように、並べられていたソファーへと腰を下ろし、ふぅと息を付く。


「どうした?疲れたのか」


「え?ううん。全然」


いつものように、隣に腰を下ろした瑠衣斗が、私の顔を覗き込む。


いきなりアップで現れた瑠衣斗の顔に、驚くように後ずさる。


「んだよ〜瑠衣〜お前変わったなあ」


「は!?な、何言っちゃってんだよ」


「日本語可笑しいぞ」



珍しく慌てたような瑠衣斗の様子に、ヨネさんから瑠衣斗に振り返る。


視線はヨネさんにあったものの、私の視線に気付いた瑠衣斗は、チラリと私に目を向けたかと思うと、ばつが悪そうにすぐ逸らされてしまった。



笑いながら部屋の奥へと入っていったヨネさんは、何とも楽しそうにしていたが、対して瑠衣斗は心なしか顔が少し赤い。



「ねえるぅ?顔赤いけど体調でも悪いの?」


「悪くねえしちょー元気だし」


「じゃ何で赤いの」


「…暑いんだって」


「…それってやっぱ熱中症とかじゃ……」


「龍雅のエロさに赤面だ」


話がどんどん可笑しな方へ転がるので、訳が分からないまま目を逸らす。


その途端、お約束のように龍雅が声を上げた。



「俺今何も言ってねえしー!!!!」


「存在だ存在。存在がエロの象徴だ」


「なんと!!!!」



ドンマイ龍雅はこの際置いといて、再び瑠衣斗を見上げた頃には、いつもの様子に首を傾げた。


ちょこちょこ様子の変な所は昔からだが、いつまで経ってもそれが何を意味するのかが分からない。


考えても答えなんて分からないので、諦めてソファーの背もたれへと体を預けた。