「…で。あれはツレか?」
ヨネさんは笑いながら指差すと、瑠衣斗の溜め息が漏れる。
その指先を追うようにして見た先には、思わず私まで顔がひきつってしまう。
「うおっ、おい宗太!!宗太あぁ〜!!!!てめ押すな!!押すんじゃねえよー!!!!」
「良かったなあ〜。モテモテじゃねえか〜」
「もっモテモテ!?モテモテ…って違うだろう!?俺は変態かー!!!!」
何だろう…これ。
沢山の牛達が、興味津々といったように2人に近付く。
そこには、宗太に後ろから羽交い締めされたように、抵抗もできず牛の顔が間近に迫る龍雅が居る。
今にも大きな舌で、顔中をペロンと舐められそうな様子に、ヨネさんは爆笑だ。
「ツレじゃねえ…変態だ」
「みてーだな」
やっぱり宗太はお祭り好きの小悪魔で、龍雅は変態らしい。
こんなにも爽やかな気候の中、何とも不似合いな会話をしている事がとても可笑しい気がするのは、私だけなんじゃないかと思えてしまう。
そんな中、ももちゃんまでもが楽しそうに2人の後ろで跳ねている。
「女の子は女の子でも牛はダメだー!!!!」
「向こうはその気っぽいぞ」
「ごめんなさい僕お付き合いできません!!!!」
「あはっ」
「あはって何!?しかもついでに鼻で笑うなー!!!!」
本当に宗太と龍雅って仲良しだなあ。
まあ、るぅもなんだけど、こういうふざけた事をするのは2人がピッタリだ。
「とりあえず遊びに来た」
「おう。ゆっくりしてけよ」
そして、こんなにも次元の離れたような雰囲気のるぅも、やっぱりどこに行ってもるぅはるぅだ。
さすがゴーイングマイウェイなだけはある。