「もも!!もも!!写真写真!!早く〜!!あ、慶兄も〜!!」
グイグイと私の腕を掴み、しっかりと上下に腕を振ると、慶兄の腕も掴んで今度は引っ張りだした。
「分かった分かった」
苦笑いする慶兄と共に、引っ張られながら席を立つ。
体調が悪くなったりしないか心配していた私を余所に、美春は絶好調な様子だ。
自然と開かれた人並みを、美春に腕を掴まれたまま進むと、開いた先にいつものメンバーが新郎新婦席の前でグラスを片手に何か雑談を交わしていた。
多分、美春が集めておいたのだろう。
無表情な顔をして片手をポケットにしまい、中庭の方を見ている瑠衣斗が目に入り、胸が反応するようにドキッと高鳴る。
立ち姿まで、今日の瑠衣斗は一段と目を引く物がある。
「はいは〜い!!みんな集まったよ!!」
「そんなはしゃいで大丈夫かよ」
美春の声にみんなが反応し、すぐ側までやって来ると、宗太が苦笑いをしながら美春に声を掛けた。
「美春と俊の子供の性格は極端に別れるだろうなぁ」
「あー!!間違いねえー!!」
慶兄の言葉に、私も同じく龍雅と同感だ。
「え〜?そうかなぁ?」
そう言って私に視線を移した美春に、素直に頷いておいた。
「でも、ももが大好きな子には間違いないよ〜ん♪」
そう言って私に抱き付く美春に、視線と頬が緩む。
素直に、嬉しいな。と思った。