何だか話をそらされた感満載だが、話が戻りそうもない様子に仕方なく諦めた。
気付くって、何が???
頭の中で、様々な記憶を引きずり出してみても、思い当たる節がない。
唯一頭に浮かんだジュリでも、何も思い当たる事はない。
いろいろ謎が多い子ではあるけども、私が気付いてあげるような事なんて、何もないだろう。
みんなの会話が、耳を通り抜けていくだけで、頭には全く入ってこない。
何だか明日の事を話しているようだったが、それ以外は素通りしてしまう。
こういう時、美春がそばに居たらどんなに楽だろう。
いつも周りをよく見ていて、私が気付かないような事によく気付き、周りに目を向けない私によくいろいろ教えてくれたっけ。
そう思うと、早く美春と俊ちゃんも来ないかな。なんて待ち遠しくなる。
「なあ、もも?」
「え。なに?」
「話聞いてなかったのかよ」
すっかり自分の世界に入っていた私は、話の前後が全く分からない。
チラッと一瞬目を向けた瑠衣斗は、すぐに前に向き直ってしまう。
眩しさに目をしかめている姿に、見入ってしまいそうになる。
「明日。どっか行きてえ所とかねえの?」
「…明日?」
「うん。適当に考えとけよ」
適当にって言われても…何があるか分かんないしなあ。