「……は?俺?」
前を向きながらも、驚いたように目を見開いた瑠衣斗は、本気で自覚が無いようだ。
「まてーい!!俺は?俺は?」
「龍雅は喋らなかったらモテモテだよ。きっと」
「…きっと…?きっとって何だよオイ!!喋ったらモテねえってのかあー!!!!」
この際やっぱり残念な龍雅は置いといて、よく理解できていなさそうな瑠衣斗を見上げた。
この整った横顔に、私はいつから恋をし始めたのだろう……。
「るぅ呼び出されたりしてたじゃん」
「…した…けど、ももに比べれば……」
「…へ?何でそこに私が出てくるの」
「おいー俺また無視かよ〜!!!!」
やっぱりここは再び、龍雅は無視しようと思い、瑠衣斗の言葉を待った。
そんな私の意識は、宗太の言葉によってそらされてしまう。
「そりゃーももは分からないだろ〜」
「えっ、宗ちゃんまで俺の事無視?」
宗太まで荷担してきてしまい、余計によく分からなくなってくる。
「分からない?って何が?」
そんな私に向かい、にこやかな宗太の言葉が届く。
何だかとても楽しそうに。
「鈍感だし鈍感だし鈍感だし」
「ちょっ…鈍感鈍感って、私そんな鈍感じゃないもん!!」
酷い言われように、しかも物凄く心外だ。
言い返した私に対して、瑠衣斗も宗太も笑って何も答えてくれない。
唯一龍雅が「間違いねえなぁ〜」なんて納得するように呟いた。
「龍雅うるさいっ」
「そこは絡むのかよ〜!!」