るぅって、そんなに悪い事してたんだ。
何となく好奇心のまま瑠衣斗を見つめる私からは、むすっとした瑠衣斗が慣れた様子で車を走らせている。
笑いながら後ろへ戻っていった宗太は、何だか楽しそうに笑いっている。
「ねえるぅ。どんな悪い事してたの?」
好奇心に負けた私は、素直に思った事を口にし、その言葉によって宗太と龍雅はうるさい程笑い出す。
そんな様子に深く溜め息を吐き出した瑠衣斗は、前を見たまま口を開いた。
「なーんもしてねえよ。髪染めただけで、不良だ言われてただけ」
「まあ…確かにガラ悪かったもんな」
笑いを含んで言う宗太のセリフは、何だかとっても嫌味のようにも聞こえる。
「あぁ!!そうそう!!でけーもんだから、相当目立ってたな!!」
「ふっ…態度もな」
言いたい放題の2人は、瑠衣斗の事なんておかまいなしだ。
瑠衣斗はとっても不機嫌そうだけど、私は何だかとても懐かしい気持ちになった。
2人が言うように、本当に誰よりも目立つ瑠衣斗に、周りの女の子達はいつも騒いでたっけ。
でも……。
「ももまでそう思ってたのか」
え?私?
ふいに話しかけられたせいで、私は再び素直に口を開いてしまう。
「うん。怖そうな人だなーって。でも、るぅって本当にモテモテだったよね」
こうしていつも、私を気にかけていてくれていた。
でも反対に私は、人見知りなんだなって思うと、何だか可愛くも思えたのだった。