「お腹出てきたね〜」
「うふふー!!俊ちゃんたらね、美春じゃなくてお腹に話し掛けてばっかなんだよ!?」
お腹を見つめ、優しくお腹を撫でている美春は、少しだけふっくらとした顔で愛おしそうに微笑んでいる。
「今現在で親バカだと産まれたら大変だね」
「特に女の子だとねぇ!!」
すっかりと夏の色をした空の下を、美春と並んで歩いていた。
ちょっと先には、灰色の雲が広がっていて、雨が降り出しそうな雰囲気を醸し出している。
私は両手にいっぱいのベビー用品を下げ、緩い坂をゆっくりと歩いている。
「こんなにいっぱい買ってもらっちゃっていいのぉ?」
「え?だって可愛いのいっぱいだし…」
オモチャやら、服やら、可愛いと思った物を片っ端から買いあさり、美春に苦笑いをされながら一人で興奮していた。
「ももこそ親バカ候補だよ」
「…え。そお?」
クスクスと笑い合いながら、宗太の家へと入っていった。
「こんにちわ〜♪」
「ただいまあ」
いつもの部屋の扉を開けて、美春に続いて部屋に踏み込んだ。
「うお、すげえなぁ」
「ももが張り切っちゃって」
私が両手に下げた袋をまじまじと見つめて、宗太が驚いた視線を向けている。
「だって…可愛いんだもん」
どれもこれも、私を誘惑するんだもん。