ちょっとだけ、私の事を心配してくれたのかな…?


それと同時に、不安感が胸に薄暗く広がる。


だから…ジュリは私に近付いたのかな?


利用するために?


「ジュリに…そんな噂があるんだ」



驚いた事よりも、何だかショックが大きくて、口から出た言葉は弱々しい。


ジュリはジュリに違いはないんだけど、何だろう。この気持ち。



「少なくとも、あいつは俺らに素を見せてると思うぞ」


「そう…なのかな…?」


「初めの印象より、だいぶキャラちげーじゃん」



そう言われてみて、私は最近までのジュリを思い起こす。


確かに、初めは独特な人だったというか……。



今では瑠衣斗とも仲良くしていると思う。



火のない所に煙はたたない。確かにそう言うけども、別に今の関係がどうと言う訳ではない。



「私…何にも知らなかったよ」


雲の切れ間から、燦々と降り注ぐ日差しは、青い空を覗かせている。


「最初は噂通りにしか思えなかったけど」



そう言う瑠衣斗の言うように、確かに険悪だった2人が、仲良くなるなんて思っていなかった。


でも、だとしたらどうしてだろう。