「雨…止んだ?」
見上げた空は、木々の葉の間から、夏空を覗かせる。
光が葉についた雫に反射して、キラキラと何か神秘的に輝く。
「止んだ…みたいだな」
強くなっていく日差しのせいで、そこには沢山の光の柱ができる。
そんな様子に、私はみとれるまま口を開く。
「綺麗…」
一面に、それがずっと先まで、光の柱が続く。
初めて見る光景に、胸が震えるのが分かった。
「天使の梯子。って言うんだと」
「天使の梯子?」
声につられて瑠衣斗を見上げると、正面を向いた顔が穏やかで、じっと見入ってしまう。
「ああ。空に向かって、天使が光を伝って登ってくだろ?」
「空に向かって…」
言われてみて、納得した。
それと同時に、瑠衣斗の知恵の広さにも感心させられる。
「神社と天使って、合わねーけどな」
私に向かってニッコリ笑って言う姿に、胸がキュンと縮む。
少し幼く感じる笑顔に、どうしようもなく感情が溢れそうになるのを堪える。
光を反射しながら落ちてくる雫が、私の気持ちのバロメーターを高ぶらせていく。
「まあ、ももは天使らしいけど」
「は?」
突然そんな事を、クスクスと笑いながら言う瑠衣斗に眉を寄せた。
私が…天使??
「ジュリが教えてくれた」