「まじっ…ちょー可愛いんだけど…くっ」


「え…ね、どうしたの…?」



こんなに笑う瑠衣斗も珍しく、逆に私は瑠衣斗の笑う意味が分からず、掛ける言葉も分からない。


ようやく笑いの収まってきた瑠衣斗は、そんな私を見て再び笑い出す。



なっ…なんなのよ!?



少しイラッとするものの、ここは笑いが収まるのを待とう。


そう思いつつも、私は瑠衣斗を置いて歩き出した。


「待てよ、…ご、ごめんって」



笑いを堪えきれないまま言うと、瑠衣斗が私に向かって更に言葉を続ける。


「カ…カエルが飛び込む音が…そんなに面白いのかな…って…っ」


「…は?そんな理由で笑ってるの?」


だとしたら、一日中笑いっぱなしだよ。


ふてくされたような顔を向けながら、瑠衣斗が再び口を開く。



「だっ、だって…段々早歩き…っなってくし…」


「………え」



私、早歩きになってた?


自覚も何もなく、ついに爆笑しだしてしまった瑠衣斗を見つめながら、顔が熱くなっていく。


はっ…恥ずかしすぎる!!てゆーか私子供みたい!!


「まじねーよ!!反則だって!!」


「もっ…やめてよー!!」



両手で傘の杖を握りしめて、力一杯に叫んでみる。





そんな私の様子に、瑠衣斗は笑い続けるのだった。