「……へ?」
「探検」
探検…は分かったけど……思いっきり話それてるんだけど。
何が変な感じかは分からないまま、私は強引に瑠衣斗の話に引きずり込まれる。
「でも、龍雅と宗太が…」
「昼までどーせ寝てるだろ」
時刻はまだ、朝6時を指したばかりだ。
こんな朝早くから探検と言うのも、瑠衣斗ぐらいだろう。
「とりあえず行くぞ。着替えろ〜」
「え…あ…はいはい」
瑠衣斗に言われるがまま、二階の部屋へと戻り、着替えるために瑠衣斗とは別の隣の部屋へと移る。
予想通り、龍雅と宗太は相変わらずまだ夢の中だったけど。
うわぁ…ここの部屋も凝った造りだなあ……。
ここの部屋も、こんなに綺麗で、何だかとても勿体無い気がする。
それなりにお客さんも多かったんじゃないかと伺えるし、何故辞めてしまったんだろう。
そんな私の思考を掻き消すように、扉の向こうから瑠衣斗が声をかける。
「もも?」
「えっ!?ちょっと待って!!」
思わず見入ってしまっていた私は、慌てて着替えを再開させる。
手早く着替えを済ませた私は、元着ていた物を抱え、扉を開けた。
「おし、荷物置いて行くぞ」
「うん」
まだ2人が爆睡している部屋へ戻り、着替えを置く。
やっぱり起きる気配のない2人は、何とも間抜けな寝顔だった。