朝食までいただいて、何もしない訳にはいかないと思った私は、瑠衣斗と並んで後片付けをした。


「あいつらいつまで寝るんだろ」


「よっぽど寝心地がいいんだよ」


並んで食器を片付けながら、そんな話をする。


いつも、宗太の家に泊まった時、決まって必ず2人はいつまでも寝ている。


るぅはどこでも寝れるけど。


「雨かあ〜…どっか案内するってもなぁ」


「どしゃ降り?」


「うん〜…せっかく来たのにな」



確かに、せっかく来たばかりで、いきなり初日から雨に降られてしまうのは少し残念だ。


でも、私にとって雨も悪くない気がした。


「大丈夫だよ。来たばっかりだし。それに雨で何も出来ない訳じゃないでしょ」



この季節の雨は、やっぱり苦手。

そんな雨でも、環境がこんなに気持ちを変える。


「まあな〜。何もねーけど」



一通り片付けてしまうと、瑠衣斗の後に続いてキッチンを出る。


さらにその私の後ろを、ももちゃんが付いてくる。


着いた先はみんなと集まっていた居間で、瑠衣斗が腰を下ろしたので続いて腰を下ろした。


「何か変な感じ」


「…何が?」



煙草に火をつけながら、一口吸うと煙を吐き出しながら瑠衣斗がそう言う。


次の言葉を待ちながら、私は瑠衣斗の顔を見つめる。


整った横顔は、サラサラの髪に少しだけ隠れてしまって表情が分かりにくい。


そんな私に向かって瑠衣斗が突然顔を向け、ニヤリと八重歯を見せて笑う。




「探検。しようか?」