「もう、パパったら〜。早く朝ご飯にするわよ」
「はーい」
端から見ても仲良しな2人が、羨ましく思える。
おばさんの言葉で席に座ったおじさんを確認すると、おばさんはお茶碗にご飯を盛ってテーブルに並べてくれる。
「さ、食べましょ〜」
その一言を皮切りに、みんなでいただきますをする。
きちんとした朝食を食べるのは、久しぶりだ。
そして、こんな風に家族に混ぜてもらい、みんなと朝を一緒にする事は記憶にない程久々だった。
私にとって、何もかもが新鮮であると同時に、どこか懐かしく、そして何故か切ない。
食事中も、おばさんとおじさんは本当に賑やかで、時折瑠衣斗をいじめながらも楽しく食事を進めた。
「あの、今日もお仕事なんですか?」
もうじきおじさんとおばさんがご飯を食べ終わる所で、私は口を開けた。
こんなに朝早くから、何をしているんだろう?
私の言葉に、2人が優しく笑顔を見せてくれる。
「毎日仕事だよ。休みはないかな」
「えっ、毎日…ですか?」
おじさんの言葉に、驚きながらオウム返しに聞き返す。
「そうなの。うちで育てた野菜とかを、毎日旅館や民宿とか、道の駅に配達してるの」
「へえ〜…凄いですね…」
野菜を育ててるって事は、農家をしてるって事かな?
それにしても、野菜を育てながら毎日旅館とかに運んでるって、本当に凄い。
感心しきっていた私に向かって、おばさんは話を続ける。
「凄い事なんてないわよ〜。毎日楽しいわよ♪」