「…え〜!!すごいすごい!!」



見上げた空は、こぼれ落ちてきそうな程、満天の星空が広がっている。


小さな物から大きな物まで、数え切れない数の星達が、視界の中に入りきらない程に瞬いている。


「なあ、もも」


すぐ耳元で、囁かれるように聞こえる瑠衣斗の声に、平常心を保つように頭を動かした。


それを返事と受け取った瑠衣斗は、続けるように口を開く。


「いつも、1人で寝るとき…何考える?」


「寝るとき?」


オウム返しに言う私に向かって、瑠衣斗はゆっくりと言葉を続ける。


「家族の事とか、考えたりするのか?」


「…え」



自分が今、どんな表情をしているのか、想像もつなかい。


それよりも、もっと、瑠衣斗がどんな表情をしているか、想像もできない。


突然出たキーワードに、胸騒ぎがする。


モヤモヤと、胸の内を黒く染めていくようで、何とも居心地が悪い。


「言いたくないなら言わなくていい。ただ……」


それっきり何も言わなくなってしまった瑠衣斗に、声を掛ける勇気もなく、そのまま黙り込んだ。


突然、どうしたんだろう。


こんな話をするなんて、何だか不安になってくる。


「ただ、ももは1人じゃねーって、思ってなきゃダメだぞ」


声音が変わり、先程までの真剣な様子から打って変わって、何だか明るく言う瑠衣斗に思考が付いていかない。


「るぅ…?」


何だろう。何か他の事を言うようだった口振りに、瑠衣斗の真意が読み取れない。


「見てんぞ。上から」