一緒……に?


「………」


何も答える事ができない私は、じっと瑠衣斗を見つめる。


顔がどんどん赤くなるのが分かり、きっと夕方に見た茜色の空よりも赤く染まっているだろう。


何も言わない私に構わず、スッと瑠衣斗は背を向けた。


あ、あれっ?



何も言わない私に対して、何か小言でも言われるだろうと思っていた私は、肩透かしを受けた気分だ。


「先入ってるぞ」



そのままサンダルを脱ぎ、先に足から入って行ってしまう瑠衣斗を、私は何故か焦る気持ちで目で追う。



えっ?えっ?ちょっ…何か私が待たせてるみたいじゃない。


てゆーか、瑠衣斗が入っている所に…自分から入って行くって……何か……。



自ら襲われに行くみたい。



って!!何考えてんの!!



そんな事を考えている内に、瑠衣斗の姿が岩によって隠れてしまった。


こうなれば、意を決して入るしかない。


私は、深く一呼吸すると、ゆっくりと歩み寄った。



岩にもたれかかるようにし、腕を広げるようにして投げ出している瑠衣斗の姿に、息をのむ。



月明かりがスポットライトのように照らし出し、そこだけが別の物のようだ。


立ち上る湯気は、少しだけ瑠衣斗を目隠しした。



何も気にしないような素振りをし、私はゆっくりとサンダルを脱ぐと、湯船へと足を入れた。