「…あ??」
「ごめ…見間違い。自分達だった……」
「はっ?」
宗太と瑠衣斗は、何の事かサッパリ分からない様子で、そのまま私の視線の先を辿り、溜め息を盛大に吐き出した。
よく見ると、部屋が明るくなったせいで写り込んでしまった自分達の姿に、私は宗太の言葉によってお化けか何かと勘違いしてしまったらしい。
「びっ……びびらせんなよー!!!!」
声のした方へ振り向くと、眉をハの字にした龍雅が、泣きそうな顔をして顔を強ばらせていた。
「だははは!!何だ龍雅その顔」
「ま、まじダセー」
宗太が大笑いしだしてしまい、瑠衣斗までお腹を抱え込んでしまっている。
そう言えば、龍雅って意外と怖い物苦手だったね。
少し和らいだ雰囲気に、龍雅には申し訳ない事をしたなと心の中だけで謝り、ふぅ、と息を吐いた。
「宗太ぁ〜一緒の布団で寝てくれ〜」
「…そーゆう趣味はねーよ」
宗太に振られた龍雅は、しつこく宗太にかじり付いたままだ。
私は、まだ少し落ち着かない胸の鼓動を押さえながらも、なんとか落ち着かせた。
「いーから早く。入るぞ」
「宗太ぁぁ〜〜」
率先して部屋の中へと踏み入れた宗太に続き、私達も中へと入る。
腰の引けている龍雅に、瑠衣斗は未だに笑い続けていた。