「とりあえず、今日はもう風呂借りて早く休むか〜」


大きく伸びをした宗太も、疲れの色が濃く分かる。


お酒が入っているせいか、余計に私も眠気が強く感じる。


「ももが落ちそう」


宗太の声に、大きく瞬きを繰り返した。


「大丈夫。ちょっとお酒でふわふわしてるだけ」


そんな私の様子に、瑠衣斗が覗き込むようにして微笑む。


少しだけ酔っているせいか、いつもなら過剰に反応する胸も、そんな様子にも余裕がある。


「酒入っているなら、長風呂すんなよ」


「わ、分かってる」



さすがに、至近距離で優しく言われると、言葉が詰まってしまった。



「おし、じゃー行くかぁ!!宗太背中流してよ」


「はあ〜?面倒くせーよ」



立ち上がった龍雅と宗太に続き、私と瑠衣斗も遅れながらも腰を上げた。


「その前に部屋。適当に連れてくから荷物運んどこうか」


「そうだな。とりあえず部屋ですぐ寝るだろうし」



そんな瑠衣斗の声を合図に、それぞれの荷物を持ち、部屋から少し離れた階段を使い二階へ上がったのだった。


後ろからは、ももちゃんがきちんと付いてくる様子が、何とも可愛らしかった。



二階へ上がると、綺麗に掃除の行き届いた真っ直ぐに伸びる廊下に再び驚かされる。


間隔を置いて取り付けられている窓からは、大きなお月様が顔を出し、見下ろす様子がハッキリと見え、もうじき満月になる事が分かる。