俊ちゃんが何とか美春を私から引き剥がし、何だか夫婦漫才のようになってしまった。
新郎新婦の席にようやく落ち着き、大泣きした美春はすっかり緊張も解けたようだったが、俊ちゃんは堅く唇を結んでいる。
ビシッと決めた俊ちゃんは、とても格好良く見えるのに、堅く唇を結びすぎてえくぼができている。
「俊…っウケるんだけど」
「だな、ありゃ相当やべえ。…面白すぎる」
司会者が進行させる中、コソコソと宗太と瑠衣斗が笑いを堪えながら話している。
何だか可笑しくて、私まで笑えてきてしまう。
泣いてしまったせいで、せっかく綺麗にお化粧をした美春も、涙で少しお化粧が取れてしまっていた。
そんな美春も、俊ちゃんをチラチラッと見ては笑いを堪えている。
時々、カメラを持った私達の高校の同級生が、そんな二人をカメラに納めていた。
ホームパーティー式と言う事で、それからは個々に席を移動したり、美春や俊ちゃん、また二人の両親に挨拶をしたりと、和やかな雰囲気が漂いだした。
あちらこちらでたかれるカメラのフラッシュや、みんなの笑い声に、自然と心が穏やかになっていった。
「飲んでるか〜?」