「そ、それだけは勘弁」


一気に表情を変えたおじさんは、何だかとても焦るようにして瑠衣斗の肩に両手を置いた。


こうして並んだ姿を見ると、お父さんもとても背が高くスラリとしていて、やっぱり瑠衣斗の方が少しだけ背が高いようだ。


そして、何よりも仲の良さに驚く。


「わーかったから離せよ」


「本当か!!よし、ならいい」



鬱陶しそうな瑠衣斗をよそに、ニコニコとしたおじさんに笑いが漏れる。



仲の良い親子だなぁ……。



心がポカポカと暖かい気持ちになる。


そんな2人の様子を見ながらも、後に続いてキッチンへと入った。


中へ入ると、少し先に到着していた龍雅と宗太が、おばさんのお手伝いをしながらも楽しそうに会話をしている。


2人は、お茶碗に寄せられたご飯を並べたり、お味噌汁を運んだりしている。


「おばさん本当美人!!」


「あらん♪嬉しいわあ〜」


「いや、本当にお世辞抜きで綺麗ですよね」


本当にその通りなんだけれど、龍雅も宗太も本当に口が上手い。


「さあさあ、みんなで食べましょ〜」


瑠衣斗に促されるように、一番端の瑠衣斗の隣の席へと着かされた。


おじさんはと言うと、あっ。と言う顔をしながらも私の目の前へと落ち着いた。


その隣へと、瑠衣斗のお母さんが座り、更に隣へは龍雅、そして、瑠衣斗の隣には宗太が座った。


「はい、いただきまーす♪」


おばさんの声を合図に、男性陣も元気よくいただきますをしと、取り皿におかずを盛る。


「いただきます」


少し乗り遅れながらも、私も手を合わせた。