「ええっ、しょ、紹介…ですか…」


「うん♪だって彼氏居ないなんて勿体無いし」



そう言う問題ではないような……。


由良さんの意図も分からず、曖昧な返事しかできずにいた。


「でも…その〜…」


「まあ、この話はまた今度ね!!じゃ、みんなおやすみ〜」


「おねいさ〜ん!!おやすみなさい〜!!」


「おやすみなさい」



私の言葉は届かず、更に龍雅と宗太によって遮られてしまった。


手を振りながら笑顔で去っていく由良さんに、私は小さく手を振るしかなかった。



何だか嵐のような人だな……。

こう言う強引な所、兄弟で共通している気がする。



ふと視線を感じ、振り返ると不機嫌そうな瑠衣斗と目があった。


思いっ切り眉間に皺を寄せた瑠衣斗は、何か言いたそうだが、口は固く結ばれたままだ。


………なんだろ。



「さてさて、ご飯にしましょ。お腹減ってるでしょ?」



私の思考を遮るように、お母さんの声で意識を変えた。


部屋の壁に取り付けられていた時計を見ると、時刻はもうじき19時を指すところだった。


結構な時間が過ぎている事に驚くと同時に、自分がお腹が空いている事に気付く。


そう言えば、朝家を出る時に軽く物を口にしたっきり、何も食べていない。


「あの、私手伝います」


そう言って、立ち上がったお母さんに続くように私も腰を上げた。