引っ張られるがまま腰を下ろした私は、慌てて瑠衣斗から手を離した。
顔が赤くなるのが分かり、恥ずかしさに目を泳がせる。
な、何か言った方がいいのかな。
そんな私の気持ちが伝わったのか、瑠衣斗のお母さんが口を開く。
「やだわ〜。本当に可愛いっ!!」
「えっ?いや、えーと…」
答える間もなく、由良さんまでもが続いて口を開ける。
「でしょお!?私ビックリしちゃったもん〜」
「今度はおじさんと散歩しよう」
「あっ、は、はいっ」
何だか無事に気に入られ?たようで、緊張していた事さえも忘れていた。
気迫に押され、瑠衣斗の様子は分からないけれど、何だか機嫌の悪さが伝わってくる。
瑠衣斗のお父さんとお母さんは、見た目は年齢も分からない程に若い。
こうして見ると、るぅってお母さん似なんだあ……。
でも、髪質や瞳の色、目つきはお父さんにそっくりで、瑠衣斗の笑った顔からは2人の特徴が伺える。
それにしても………
「お祭りには浴衣着せてあげるわね!!きっとご近所のみんな驚くわ〜」
「おじさんが街を案内してあげるよ」
止まらない2人の話に、龍雅や宗太は笑いっぱなしだ。
由良さんは、少し呆れているようにも見えるが、楽しそうに笑っている。
「おい、ももが困ってんだろ」