……あ…あれ?
「………。」
とても体が熱い瑠衣斗。
そんな瑠衣斗が、突然動きを止めた。
力が抜けたように重みが加わり、ますます動けなくなってしまう。
この人…………寝てる……。
すぅー…と寝息を立てる瑠衣斗は、ピクリとも動かない。
る、るぅの寝息が…首にっ…。
首筋には瑠衣斗の唇、胸には手。
そんな肝心な瑠衣斗は眠ってしまっている。
どかしてしまおうにも、身動きができない。
私が動く事ぐらいでは、瑠衣斗は起きる事はないと思う。
でも何となく、動けなかった。
何だかすごい状況だけど、瑠衣斗の体温がとても心地よかった。
抱き締められている事が、……抱き締めるとは少し違うかもだけど。
嬉しかった。
トクトクと一定のリズムを刻む瑠衣斗の鼓動と、自分の鼓動が交わる音が、気持ちを穏やかにしていく。
瑠衣斗の温もりに、そっと私は目を閉じた。
胸に触れている瑠衣斗の手に、自分の手をそっと重ねた。
大きな手のひらに、胸がくすぐったい。
寝ぼけていたんだろうか。
と言うか、寝ぼけていたんだと思う。
呑気に寝息をたてている瑠衣斗に、私はペースを崩されてばかりだった。