そんな私の視線に気が付いたのか、一瞬横目で瑠衣斗が私に目を移し、またすぐに前に向き直った。



「どうした?酔っぱらった?」


「え?あ、ううん大丈夫」


「ふ〜ん?ならいいけど」




思っていた事が顔に出てしまったらしい。


でも、検討違いの事を言った瑠衣斗に小さく息を吐いた。



本当は、まだ地元へ帰る事を躊躇しているんじゃないか、そう思ってならないから。




「晴れて良かったね」


「そうだな。でも向こうは分かんねえ」


「え、天気悪いの?」



ちょっと残念だな…なんて思った私は、少しだけ気分が沈むように肩から力を抜いた。



「いや、違くて、天気が変わりやすいって事。それに梅雨ってのもあるし」


「山だから?」



そっか。山の天気って変わりやすいもんね。それにおまけに梅雨ときたら余計に天気なんて分からない。




「おれんちは山じゃねえ。山に囲まれてるだけだ」


「……あんまり変わらないと思うんだけど……」




横目で軽く睨まれた。





天気が悪いかもしれない事は残念だけど、それ以上に、私は胸が弾んだ。


そんな自分の浮かれた気持ちに、 自分こそ幼稚だな。と思えた。



「川もある」


「別にバカにしてないって」




まだ言う瑠衣斗に、自然と笑みがこぼれた。