「おめー宗太ぁ〜!!俺の勝手に食うなよー!!!!」


「龍雅、それ俺の」


「…これなかなかうめーな!!」




賑やかな後部座席に、自然と呆れたため息が出る。



本当に…精神年齢何歳なんだろ。



そんな事を考えていた私に、突然顔の横に封の空いたスナック菓子の袋が飛び出る。



「うめーよ!!食う?」



おまけに龍雅の顔も、一緒に登場した。



「俺は運転してるからいい」


「…お腹一杯になっちゃうよ?」


そんな私と瑠衣斗のつれない返事に、あからさまに嫌な顔をする。



「何だよ!!もっと楽しめよ!!エンジョイしようぜ!!」



本当に黙ってたら、文句の一つも出ない程格好良いのに。



しかも思考がまた幼稚すぎて救いようがない。




「その無駄なエネルギー何とかできないのか?」


「できてたら今頃夏休みの予定も女の子で埋まってるよ」



「……泣いてやるー!!!!宗太あぁぁぁ〜〜〜!!!!」




私と瑠衣斗の一撃で、やっと龍雅が後部座席へうるさく戻った。



私達は今、瑠衣斗の地元へと向かう途中だ。


運転をする瑠衣斗をチラリと見ると、何だかんだ龍雅をいじめて楽しんでいる。


そんな様子に、心なしかホッとした。




だって、あんなに嫌がってたし。