……無理…?無理って…何が??


「え?どーゆう事…?」


無理かって…何が無理なんだろう。


訳も分からず瑠衣斗を見つめるしかない私に、瑠衣斗が再び視線を落とした。


ヘルメットに付いてしまった傷を、親指で撫でるように触る瑠衣斗に、何だかその姿が、泣いているんじゃないかと思わず思ってしまった。



「前みたいに…もう戻れねえのかな…なんて……」



「………」



前……みたいに……?



「何かさ、ももと……ここ最近ずっと…距離感じててさ」



「…るぅ……」



そんな事…思ってたの?

ずっと…っていつから??



「俺……ずっとももが、…いや違う。何でもねー」


「…ちゃんと全部話して」



人の事言えないけど、るぅが思ってた事、ちゃんと聞きたい。


何言われるかちょっと怖いけど……多分、るぅは一生懸命伝えようとしてくれてると思うから。



「うーん…うんとだなあ……その…アレだ、アレ」



「…うん」



急かさない。焦らせない。ゆっくりでいい。瑠衣斗の思ってた事、思ってる事、全部聞きたい。



「慶兄と付き合って…それから何か…距離感じてた」



「…うん」