「じゃ、今日はよろしくね?手伝う事あったら言ってね」
「お。こっちこそありがとなぁ。こんなけ若い人も居れば余裕で宣伝効果もありそうだ」
「俺の運命の出逢いもあるかもなぁ〜!!」
夏希には笑っておいて、純平の言葉をスルーしながら、じゃあまたねと手を振って背中を向けた。
広々とした店内には、見慣れた顔が沢山あった。
沢山の知り合いに声を掛けられながら、挨拶を交わして周りを見渡した。
何だか同窓会のようにも思える顔ぶれの中に、美春と俊ちゃんの両親の姿を発見した。
駆け足で近寄る私に、美春のお母さんが気付くと、ふわりと美春そっくりな優しい笑顔で私に手を振った。
「おばさん、おじさん。こんにちは」
「ももちゃん〜、今日はこんな素敵な場所で…本当にありがとうね?」
「本当に…ありがとうなあ」
心なしか、潤んだ瞳をしている美春のお母さんに、笑顔を向けた。
寄り添うようにして並ぶ美春のお父さんは、お母さんよりも泣きそうな顔だ。
「…俊と美春ちゃんは幸せ者だなあ」
「いいお友達がいて…幸せになってもらわなきゃね」
こちらも、俊ちゃんとソックリな顔を崩して笑う俊ちゃんのお父さんと、えくぼを作って柔らかく笑う笑顔のお母さんがポツリと言った。
「二人には絶対に幸せになってほしいから…それに、私達は二人の晴れ姿も見たかったから。勝手に計画しちゃったけど、来てくれてありがとう」
そんな私に対して、いっぺんに口を開かれ、何を話しているのか理解ができずに苦笑いした。
二人の両親を見ていると、俊ちゃんと美春も、こうやってずっと仲良く一緒に歳を重ねるんだな。と思った。