「えっ…とまあ、うん、相手が鈍感って感じかな」


「…?ふうん……」



何だか詰まりながらの返答に、やっぱり違和感が残る。



何だろう……みんながみんな、何か様子が変な気が………。



てゆーか……



「会った事あるんだ?」


「はっ?えっ!?」


「会った事あるんだ」



私の質問に対して、珍しく驚いたような焦ったような反応を示した夏希に、やっぱり。と違和感が確信へと変わる。



なんだ…何か私だけ仲間外れみたい。



「いやぁ…そーゆう……そうなるのか?」


「え、俺に振る!?」


夏希と純平のやりとりを横目にしつつ、チラリと瑠衣斗に目線を移した。



目にした途端、胸が締め付けられ、同時に自分の行動を後悔する羽目になってしまった。



なんで…そんなバツの悪そうな顔するの………?



目にした瑠衣斗は、目で二人に何かを訴えるような表情で、夏希と純平を見上げていた。



モヤモヤした感覚が、消えない。


むしろ、どんどんと酷くなっていく一方だ。



私に…知られなくないのかな。

所詮、きっとただの同級生や友達にすぎないんだ。




カランと音を立てて、グラスの中で踊る氷に目を落とした。


しっかりと汗をかいたグラスを、そのまま何の意味のないまま両手で包み込んだ。