それって…るぅが好きって言っていた人に?


「また告白…するの?」



聞きたくないのに、聞きたい。


知りたくもないのに、知りたい。


傷付くと分かっているのに、るぅの事だと知りたい。

知っていたい。



「またってお前…何か一度振られてるみてーな言い方すんなよ」



「してないし」




私には、好きな人の幸せを願う事なんて、やっぱりできないんだ。


ホントに嫌な女だ。




「好き…って言わねーとダメか?」




さっきまでと違った、少し真剣な瑠衣斗の声音に、思わず胸がドキリと反応する。


本当にこの人は、異性からどう自分が見られているかなんて、気付いていないのだろう。


視線が交わった先には、やっぱり真剣な顔をした瑠衣斗の色素の薄い瞳が、しっかり私を捉えていた。



ヘルメットで少し潰れてしまった髪を、無造作にグシャグシャにした髪が、何だか色っぽくさえ見える。



「ダメ」



言わないで。


これ以上は何も聞かないでよ。



そんな思いを込めて言っても、伝わるはずないって分かってる。



「うん〜…ま、そうだろうな。尚更伝わらねーだろうし」


「尚更?」



夏希のセリフに、何か違和感を感じた私は、オウム返しに質問を返した。