「何だ何だ〜?何かあったのか?」



ニヤニヤと何かやたらといやらしく聞く純平に、思わず口元が引きつる。


相変わらずこの人は、人の話が好きとゆうか何と言うか……オバサンみたいだ。



「俺は特に何もねーけど」


「おっ?んじゃ〜ももか?」


「……え……」




確かにそうには違いないんだろうけど…こんなノリで慶兄と別れたなんて言いたくない。


自分の中に居る、変に堅物な自分がそんな簡単に口にする事を拒んでいるようだ。



すんなりと、「実は別れたんだよね」なんて言えたら、どんなに楽なんだろう。



実際簡単に言える事なのに、何故かその言葉が重くて口にできない。



私の中で、慶兄に対する罪悪感が大きな事に改めて気付く。



「おいおい、どうした?」



何となく黙り込んでしまった私を不思議に思ったのか、心配そうに純平が私を見ている気配がする。



「えっ?あ、えーと……じっ実は…わ、わっ……た…んだよね」



ぱっと視線を上げたと同時に純平と目があってしまい、肝心な部分がまるまる抜けてしまった。



あぁぁ〜っ!!何言ってんのぉ〜っ!!



顔が自然と熱くなり、恥ずかしさに再び俯いた。




「………るぅちゃん。ももちゃんが変なんですが?」


「そうだね」



真顔で交わされている会話に、突っ込む事さえできなかった。


何だか言うタイミングを失ってしまったようで、思わずグッと言葉を飲み込んだ。



……私のバカ…。