「ちわ〜す」
「おーっ!!るぅちゃん!!」
「久しぶりだなあ〜!!」
店のドアを開けると、騒がしい二つの声が飛び交った。
「うん、そうだね」
「つまんねー!!お前つまんねえ!!」
ポツリと答えた瑠衣斗に対して、そう言いながらも笑った純平の声が聞こえる。
「今日は一人か?珍しいなあ」
「いや、二人だけど」
「……えっ?後から合流?」
瑠衣斗の後ろに、隠れてしまっている形になっていたせいか、二人には私の存在が全く気付かれていなかったようだ。
瑠衣斗の背後からそっと顔を覗かせると、カウンターの中に居た純平と、カウンター席に座っていた夏希と目があった。
「…居たのかー!!」
「だはっ、全っ然気付かなかった」
笑い出してしまったの笑い声に、思わず眉を寄せた。
「そんなに笑う事?」
確かに全く気付かれてなかったけど、ここまで笑われる事の意味が分からない。
……なによお。何か面白くない。
「どんなけちっちぇーんだよ!!相変わらずでこぼこコンビだな!!」
目を細めて笑う純平が、お腹を押さえてまで笑っている。
夏希まで純平と同じように笑っていて、何か言い返したいのに言葉が詰まる。
何かムカつく!!無性にムカつく!!
好きでこんな身長やってるワケじゃないわよっ。
なんて言ったら、自らネタを提供してしまうような気がして、グッと飲み込んでおいた。