ずっと大切に、なくさないように持っていた合い鍵。


いきなり渡された時は、本当にびっくりしたっけ。



何だかんだいつも一緒だったから、あまり使う機会はなかったけど………。



「るぅ、お前が飯作れ!!!!」


「はー?やだよ。なんで」


「るぅのせいで負けたからだー!!!!」


「…たかがゲームくらいで………」



呆れて言う瑠衣斗に、私も思わず納得してしまう。



そう言いながらも、立ち上がった瑠衣斗は、何故か私を見下ろしている。



「………えっ?なにっ」


「手伝って」


「へっ?私が?」


「もも以外誰が居るんだよ…」


私にまで呆れたように言う瑠衣斗は、当然のように言ってのける。



えぇ〜…私が料理苦手な事……知ってるよね?



「ほら、行くぞ」


「えぇ、ちょっと待ってよ」



歩き出してしまった瑠衣斗に続いて、慌てて立ち上がった。



部屋を出て、対面しているキッチンへと入った。


相変わらず食堂にあるような広々としたキッチンは、夏の暑さでムッとする。



「……あちい」


「エアコンのスイッチどこだっけ?」



キョロキョロと見渡し、壁づたいにあるスイッチを見つけると、エアコンを入れた。


当分冷えてはくれなさそうだし、火を使えばあまり意味がないだろうけど。



「さーて、何作るかな。何食いてえ?」


「ぷりん」


「………」



無言で睨まれた。



だって食べたいんだもん。