「おはよ〜ん!!あっれえももアップとか久々!!珍しい!!」


「おはよ〜。うん、今日ジメジメするじゃん?」



あらかじめ予想していた会話に、用意しておいたセリフでうまく会話し、ホッとする。



こんなに細かく考えなくても…と思っていたが、ギリギリで墓穴を掘って台無しにしたくないので、念には念をと言う事で安全対策だ。


「かっわい〜♪ちゅうしたい…」


「ほっぺだけね〜」



そんな冗談を入り混ぜながら、ドキドキと高鳴る胸に、息が上がりそうになるのを隠して美春とガールズトークを楽しんだ。


「今日俊ちゃんね、何の疑いもなく出て行ったよ!!美春ワクワクする〜!!ビックリするかなぁ!?」


「うん…絶対ビックリだよ」



美春がね〜。何て考えながら、喜んでもらえなかったらどうしよう。

迷惑だと思われたらどうしよう。


と、不安がどんどん膨らんでいく。



はじゃぐ美春を横に、反比例するかのようにどんどん大人しくなってしまう自分に、飽き飽きする。



どんなけ小心者……。考えすぎだっ!!



段々と何度も通った道に、手に汗をかきだし、膝の上で拳を握った。



お願い……どうかうまくいきますように。



何度も心の中で唱えているうちに、タクシーは見慣れた店の前に到着した。


よし、ここからだぞもも。