「大丈夫ならいいけど」
「だから何がよ」
「べっつに〜?」
そう誤魔化しながらも、内心気持ちが焦っている。
話って何だろう?
考えても予想なんてつかない。でも実は、大した話ではないかもしれない。
何気にちゃっかりと付いて行くジュリと、宗太と龍雅の後ろ姿を眺めた。
隣に並ぶ瑠衣斗の気配に、何だかすがりついてしまいたい。
「一人で行けるか?送ってくぞ?」
「え?大丈夫だよ。子供じゃないんだから」
「……幼児体型だけどなぁ…」
「……うっ……ざ!!!!」
鞄で背中目掛けてぶつけてみるが、瑠衣斗はクスクス笑っているだけだ。
バカにされてムカつくしうっとーしいけど、少しだけ気分が晴れたようだ。
「るぅ最っ低〜!!最悪っ」
「そりゃ〜どおも♪」
笑い続ける瑠衣斗の横を通り過ぎ、少し前を行ってしまった宗太達を目指した。
最悪っ。最低っ。本当にデリカシーも何もないんだから!!
「待てよー」
まだ笑っているような声で後ろから声を掛けられたが、振り返りもしなかった。
頭にくる。けど、楽しんでいる自分も居た。
「じゃあ、後から行くね」
門を出た所で、みんなに振り返って声を掛けた。
「お、気を付けてな〜」
龍雅とジュリに絡まれながらも、宗太が笑顔で答えてくれた。
宗太………子守りも大変だね。