「あの〜…じゃあ私はここで……」


「っうえ!?もも来れないの!?」



ポツリと遠慮がちに言った私のセリフに、ぐるんと勢い良く振り返ったジュリが、本気で残念そうに嘆く。



「う、うん……ちょっと予定が」


「慶兄か?」


「あ…うん」



宗太の言葉に、俯きながらでしか答えれなかった。


いつもなら何ともない事なのに、胸のモヤモヤが私をそうさせる。


何だろう。何だか何とも言えない感情が、溢れ出しそうだ。



「何だよ〜デートかよ!!ちっくしょー!!」



龍雅の言葉に、更に気分が沈むようだ。


楽しみで仕方ない事なら、どれだけいい事か。



前に言われた慶兄の言葉が、私の中で何かに形を変えたように、気分を沈める。



「慶兄と後から行くかもしんないし、デートって訳でもないから」


「んだよ〜、ちちくりあってから来るんか!!!!」


「ちょっとやめてよ変態」



このままここに残りたい。

いつものように、みんなの輪の中に居たい。



何だか怖いんだ。


慶兄から聞かされる話が、予想もつかないから。



「…大丈夫か」


「え…?」



予想外な瑠衣斗の言葉に、顔を振り上げた。


「大丈夫かって」


無頓着に言う瑠衣斗に、軽く衝撃を受ける。


私、どんな顔しているんだろう。


心配される程、酷い顔してんのかな…………。


「大丈夫だよ。ってか何が?」



平静を装いながらも、驚きで胸がドキドキとしていた。