「よし、忘れ物は…ないかな」



髪を巻いて、アップにし、簡単に服を着込みながら荷物を確認して、美春の元へ向かう所だった。


タクシーで美春を迎えに行き、直接現地に集合になっている。



久しぶりに髪の毛セットしたなぁ〜…大丈夫かな?



姿見で軽く確認し、腕時計を見て慌てて荷物を抱えて飛び出した。




俊ちゃんには前もって、龍雅が早めに呼び出して宗太の家に呼び、そこから現地へ向かう事になっている。


何度もお店に行ったり、宗太の家に集合して段取りを練った。




程良い緊張感が、不安を生む。


うまくいきますように……。




青空が広がる空は、まさに快晴で、天までも味方してくれているようだ。



昨日雨が降ったせいで少し湿気のある纏わりつくような風が、今は心地良い。



呼んでおいたタクシーに乗り込めば、微かに冷房が効いていてとても爽やかだった。



行き先を告げ、更にメモを手渡すと、タクシーはゆっくりと発進した。



渡したメモは、美春と俊ちゃんの結婚式会場であるお店の住所だった。



タクシーが加速して、美春が待つ場所が近づくにつれ、緊張が増していった。



いつもと違う新鮮さに、ワクワクする気持ちと緊張感が入り混じり、軽く深呼吸して流れる景色を眺めた。