あの時、あなたは何て言ったの? 生暖かい風が頬を撫でていく。 言葉は風に流されて、もう耳にする事はない。 あの風はどこに行くの? もう、私の頬を優しく撫でてはくれないのだろうか。 もう、出逢う事がないのかと思うと、胸が切なくなる。 陽炎が鳴いている。 いつもより大きな夕日が眩しくて、あなたが見えない。 どうしてそんな風に、私に笑いかけるの? 違う風が、私の頬を撫でて髪をさらった。