中に入ると、一人の男の人がいた。

もしかしてあの人が・・・・

生きていた。


そうわかった瞬間あたしはしゃがみこむ。


想像していた結果と全然違っていた。

チラっとフリアのほうを見るとしてやったりというような顔をしている。

やられた、まんまとフリアの演技にだまされた。


あたしがしゃがみこんでいると男の人は、こっちに近づいてくる。

そしてあたしの真上まで来て


「姫香、久しぶり」


と爽やかに笑った。


七年ぶりに見たあの人は、かっこよく成長していた。

なんだか好青年な印象を与えられる。


けれど、気になることが一つある。


何で剣を持っていているの!


今の時代に剣なんて早々お目にかかれない。


「ひ、久しぶりです」


さすがのあたしも剣は怖くて声が震える。

そんなことにもきづかづにあの人は話を続けていく


「名前を教えなかったよね、俺の名前はゼンよろしく姫香」


そういって剣を鞘にしまい、右手を差し出してくる。

あたしは差し出された手を掴む。

するとゼンはあたしの手を引っ張り立たせてくれた。


「ゴホン」


フリアがわざとらしく咳払いをする。

そういえば途中からフリアの存在を忘れていた。


「今から大切な話をするからよく聞いて」


今度は、本気で真剣な話なのだろう。

ゼンまでもが真剣な顔をして


「もう、あのことをいうのか?」


と言っている。