コウくんに彼女ができたと噂がたったのも、ちょうどその頃。


コウくんと同じクラスの学級委員長さん。


名前はたしか荒木さん。


美人で頭もよくて。


誰もが憧れるマドンナ的存在。


私に勝ち目なんてなかった。


だって、荒木さんの隣で、コウくんは幸せそうに笑うんだもん。


私にはもう見せてくれないあの笑顔を、何の躊躇いもなくして見せるんだもん。


でも。


でも、それでもよかったの。


全然、平気だった。


我慢できた。


だって、好きだから。


大好きだから。


辛くないって言ったら嘘になる。


苦しくないって言ったら嘘になる。


でも、そんなのどうでもよかったの。


私はただ、純粋にコウくんが大好きなだけだったの…