高校2年生の私、佐倉唯は、普通に恋をしていた。


小さい頃からずっと一緒の幼なじみ。


高瀬 晃太がその相手だった。




小さい頃からの夢――

――コウくんのお嫁さん。


未だにそんなバカみたいなことを言っている程、私はコウくんが大好きだった。


高校を卒業する頃には、コウくんにこの気持ちを打ち明けて。


もし、OKが貰えたら付き合って。


ダメだったらいっぱい泣いて。


そうやって。


みんながしてるみたいに、普通に恋して。


告白して。


付き合ったり、フラれたり。


喧嘩したり、仲直りしたり。


そんな普通の恋をしていくんだと。


しているんだと。


そう、思っていたんだ…