彼とは、友達だったわけでもなければ、話したこともない、ただの「知らない人」だった。
知らない人から告られるのは、かなりビックリしたし、ちょっと怖いとも思った。

でも、全く知らないのに断るわけにもいかない。

『恋愛相談~? だったら任せてよ!』
これまた友達の愛に電話で相談して、「まずお友達から」という答えを出してもらった。


でも萩香は大切な事を忘れていた。
「あ」





彼の名前、クラス、メルアド、何から何まで知らない事を。

「どーしよー……」




萩香は仕方なく、全学年のクラス一つひとつを覗きながら彼を探すことにした。


あの時の、顔と身長だけを頼りに………