「俺はさーやの事大好き」

黒くてストレートの髪

今時珍しいよね。


わたしの髪を

指で掬って

さらさらと落とす。


「この感触好き」


「大きな瞳も」

「長いまつげも」

「薔薇色の唇も」



「あんたどんなハーレクイン読んでるのよ。頭、悪そう」

「んなの読まないっつーの。そーゆう、さーやは何読んでるの」


リクがわたしの手元から

文庫本を奪う。