「また、来ますね」

他に行く場所知らないから。



「おつかれさーん」

明るい声を背中に

わたしは、

裏から、

階段を下りていく。


地上に降りると

たちまちヒトの波に飲み込まれて

わたし、の存在

『ユキ』だったコを

消去してくれる。




そしてわたしは

『紗彩』に

自分を

設定しなおす。